暑さが年々厳しさを増す中、建築現場では命に関わる「熱中症」対策が欠かせません。
「水分と塩分を摂れば大丈夫」という時代はもう終わり。
今では、最新の空調服から現場ごとの工夫まで、実に多彩な対策が存在しています。
しかも、2025年6月1日からは建設現場での熱中症対策が法的に義務化され、
報告体制の整備・初期対応手順の作成・作業員への教育と周知が必須となりました。
この記事では、現場で実際に取り入れられている熱中症対策を徹底的に紹介し、すぐに使える知恵とアイテムをお届けします。
建築現場の熱中症が深刻な理由とは?
過酷な直射日光と照り返し
建築現場は日陰が少なく、照り返しも強いため、真夏は体感温度40℃超えも珍しくありません。
動き続ける作業で発汗が止まらない
常に動き続けているため、水分・ミネラルの消費が早く、軽い脱水症状にも気づきにくいのが特徴です。
ヘルメット・作業着の通気性問題
安全装備が必要な一方で、通気性に欠ける装備が熱をため込む原因にもなります。
今すぐできる建築現場の熱中症対策【基本編】
- こまめな水分補給(1時間に1回以上が理想)
- 塩分・ミネラル入りタブレットや飲料の常備
- 休憩場所を日陰またはエアコン付きにする
- 作業スケジュールを朝・夕に分散させる
最新の建築現場向け熱中症対策グッズ
空調服(ファン付き作業着)
風を取り込んで汗を気化させる「空調服」は、今や現場の必須アイテム。
バッテリー持続時間や風量など、年々進化中!
ネッククーラー・冷却タオル
首元を冷やすことで体温全体を効果的に下げるグッズ。軽量で動きやすさも◎
冷却インナー・接触冷感素材の肌着
汗をかくほどに涼しさを感じるインナーも人気。
作業着の中に仕込むだけで違いを実感できます。
現場ごとの「ひと工夫」が命を守る
- 現場全体にミストファンを導入
- 休憩時間に氷のうや冷えピタを配布
- 朝礼時に体調申告タイムを設ける
- 無理な作業をさせない“声かけ文化”の定着
2025年から義務化された建築現場の熱中症対策とは?
2025年6月1日から、厚生労働省により労働安全衛生規則が改正され、
建設現場における熱中症対策が一定条件下で義務化されました。
対象となるのは、以下すべてに該当する作業環境です。
- WBGT値が28℃以上 または 気温31℃以上
- 連続して1時間以上、または1日4時間を超えて屋外で作業する場合
事業者は以下の3点を実施しなければなりません。
- 報告体制の整備と周知
- 重症化を防ぐための初動対応手順の作成
- 関係者への教育とその内容の周知
もし違反した場合は、6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金となる可能性があります。
現場リーダーが意識すべき3つのポイント
- 体調チェックを徹底(顔色・反応速度)
- 熱中症予防の教育を定期的に行う
- 自分から率先して休憩・水分補給する姿勢を見せる
熱中症の初期症状とすぐできる対処法
症状 | 対処法 |
---|---|
めまい・立ちくらみ | 日陰に移動+冷却+水分補給 |
頭痛・吐き気 | 作業中止+水分+病院受診の検討 |
異常な発汗停止 | 熱中症の重症化サイン!すぐ医療機関へ |
熱中症を「予防」する意識が安全第一につながる
事故や怪我と同じく、熱中症も**「対策すれば防げるもの」**です。
「今日も無事に帰る」を合言葉に、仲間と声を掛け合いながら、安全第一の現場をつくりましょう!
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